対策対話型AI「ChatGPT」と「Bard」の違いは?特徴や性能を解説!
ChatGPTやBardは、近年注目を集めているAIチャットボットです。ChatGPTは特に日本では有名な対話型AIで知っている方も多いですが、Bardは日本で一般公開されていないため、まだ認知度が低くなっています。
対話型AI 「ChatGPT」「Bard」とは?
ChatGPTは、モデルアーキテクチャ『Generative Pre-trained Transformer』を採用した大規模な自然言語処理モデルです。2022年11月30日にOpenAIによってリリースされました。日本では、ユーザー数が100万人以上といわれており、非常に人気のある対話型AIです。
一方、BardはアメリカのGoogle社によって開発された対話型AIです。2023年3月21日にアメリカとイギリスで提供が開始されました。Bardは大規模言語モデル『LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)』がベースになっています。
- Bardは日本でのリリース未定
ChatGPTは、すでに日本で利用可能であり、アカウント登録すれば誰でも無料で利用することができます。一方、Bardは2023年3月にアメリカとイギリスで先行リリースされており、日本ではリリースが未定となっていました。
しかし、2023年4月26日時点でBardへのアクセス及びウェイトリスト登録が可能となっています。ウェイトリスト登録後、利用開始まで一定の時間を要するため、すぐに使用することはできません。また、日本語は非対応なため、英語による対話が必須です。
ChatGPTとBardの違い
- データ情報の違い
- 検索エンジンの違い
- 言語モデルの違い
それぞれの項目について詳しく解説します。
データ情報の違い
1つ目は、データ情報に違いがあります。
ChatGPTが保有するデータは2021年9月までです。つまり、それ以降に関するテーマを聞くと回答してもらうことができません。例えば、「2023年のWBCで日本は優勝しましたか?」と聞くと未来予測はできないと返答されます。
一方、Bardは最新情報をもとに回答するため、最近の出来事に対しても返答を得ることができます。そのため、2021年9月以降の情報に関することを聞く場合、Bardのほうが優れているといえるでしょう。
検索エンジンの違い
2つ目は、検索エンジンの違いです。
ChatGPTは、Microsoft社が運営する『Bing』を活用して回答に必要な情報を収集しています。そのため、ChatGPTが情報収集を行っている検索エンジンはBingです。
一方、BardはGoogle検索と連動している対話型AIです。そのため、両者には情報収集し ているデータベースに違いがあります。
言語モデルの違い
3つ目は、言語モデルの違いです。
ChatGPTは、モデルアーキテクチャ『GPT(Generative Pre-trained Transformer)』を使用しています。GPTは、ニュートラルネットワークアーキテクチャ『Transformer』をベースに大量のテキストデータをトレーニングデータとして使用し、事前学習されている言語モデルです。
一方、BardはLaMDAを言語モデルとして採用しています。LaMDAは、Language Model for Dialogue Applicationsの略称で、Googleによって開発された大規模言語モデルです。LLMは、大量のテキストデータをAIに事前学習させて言語操作を実行できる技術になります。
ChatGPTとBardのそれぞれの特徴
ChatGPTとBardの特徴を知ることで、何が強みなのかを把握できたり、使用目的に応じて使い分けられるようになったりします。それぞれの特徴を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Bardは最新の情報を参照した対話ができる
Bardは、最新の情報を参照した対話ができる点が特徴です。
言語モデルに採用されているLaMDAは、Google検索と連動しているため最新の情報をもとに回答を作成してくれます。これにより、一般的な情報だけでなく、ニュースなど最新のトピックに関する質問も行うことが可能です。
一方、ChatGPTは2021年9月までの情報を学習している対話型AIになります。そのため、最新の情報を参照することができない点は大きな弱みです。しかし、プラグインを利用してそれをカバーすることもできます。プラグインを使用すると検索エンジンと連動することができるようになるため、最新の情報を参照することが可能です。代表的なプラグインは下記の通りになります。
- Expedia
- Instacart
- KAYAK
- Klarna(Klarna Shopping)
- FiscalNote
また、Microsoft社はChatGPTをもとにBingAIを開発しています。BingAIはBing検索と連動したAIチャットボットです。そのため、これを使用すれば最新の情報を参照し、返答してもらうことが可能になります。
Bardは基本的に情報ソースを表示できる
Bardは情報ソースを表示することができます。
質問の回答のソースを完璧に得ることは難しいですが、可能な限り示してもらうことができます。そのため、その回答がどこから導かれたのかを把握することができる対話型AIです。
実際に、対話型AIを使用する際、情報ソースを確認したい機会は少なくありません。例えば、ランキング情報や身体に影響を与える質問、第三者に伝えるときなど、情報ソースがない場合、不安に覚える人も多いでしょう。そのようなときに、Bardであれば安心して情報を活用することができます。
一方、ChatGPTは現状情報ソースが表示されず、どこから得た情報なのかを示してもらうことが難しいです。そのため、情報ソースを確認するために、結局検索エンジンから情報を収集しなければなりません。しかし、BingAIを使用すれば、回答のソースを表示してもらうことができるため、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
ChatGPTは回答の速度が速い
ChatGPTの回答速度は、質問の内容やネットワークの混雑状況によって変化します。しかし、英語圏のユーザーによれば、Bardと比較してChatGPTは回答速度が速いという情報が多いです。また、Bardは回答が返ってこないケースもあるため、パフォーマンスはChatGPTのほうが優れているといえるでしょう。
ちなみに、ChatGPT Plusを利用すればさらに速度を向上させられます。有料版のツールとなっていますが、優先的にアクセスすることができるため、無料版よりもパフォーマンスが高いです。
ChatGPTとBardに共通する注意点は
両者ともに優れた対話型AIですが、共通する注意点もいくつか存在します。注意点を把握することで、使用する上で気を付けるポイントなどがわかるので、ぜひ参考にしてください。
専門情報の取扱いに注意が必要
ChatGPTやBardなどの対話型AIは、情報の正確性について担保しておらず、情報源に誤った情報や捏造された情報があると、それを使用して回答してしまうことがあります。情報の正確性を担保する必要がある場合は、対話型AIの情報をそのまま使用するのではなく、オーガニック検索や書籍などさまざまな情報と照らし合わせて正確かどうかを判断しなければなりません。
個人情報に関する送信に注意
対話型AIは、ユーザーが作成したプロンプトの内容を学習するという特徴があります。そのため、個人情報等を入力してしまうと対話型AIに学習されてしまい、情報漏洩などが発生する危険性がまったくないわけではありません。そのため、対話型AIを使用するときは、機密情報や個人情報の入力を避けるようにしましょう。
今回は、ChatGPTとBardの概要や具体的な違い、それぞれの特徴について解説しました。AIチャットボットは近年非常に注目を集めており、将来的にも活用される場面が増えることが予想されます。日本では、特にChatGPTが人気ですが、Bardも今後日本で広まれば、認知度が向上するでしょう。
ChatGPTとBardはどちらも優れた対話型AIですが、ユーザーが入力した情報を学習するという特徴があります。また、対話型AIの回答は正確性が担保されていないため、これらの点に気を付けながら使用するのがおすすめです。