営業アポイントとは?獲得率をあげるコツ、注意点などをご紹介
営業アポイントとは具体的にどういうものなのでしょうか?
営業マンなら必ず正しく理解しておきたいところです。
また、アポの獲得率をあげるためのコツや、注意すべき点も抑えておきましょう。
それらを把握しているかどうかで、アポ取りの成功率は大きく変わってきます。
ここでは営業アポイントについてその方法やコツ、交渉時の注意点などを紹介します。
アポイントとは?
アポイントとは正しくはアポイントメントという言葉のことです。
アポイントメントを略してアポイントやアポという言い方をしています。
面会や商談、会合などの約束という意味があり、取引先と商談の約束を取り付けるという意味合いで使われます。
よくアポを取る、アポ取りをするという表現がされますが、これは取引先と商談の約束を取り付けるという意味になるわけです。
営業マンにとってはアポ取りをいかに成功させるかが重要になってきます。
まず会って話ができなければ商品・サービスを買ってもらうこともできません。
実際にアポを取るためにはいくつかの方法があります。その方法について詳しく見ていきましょう。
アポ取りの方法
アポイントの取り方は1つではありません。
電話や飛び込みでのアポ取りだけでなく、メールを活用したり、展示会やセミナーもアポ取りのチャンスです。
それぞれどういった方法なのかを詳しく紹介します。
- ・電話
相手企業に電話をかけ、直接担当者と話をさせてもらう方法です。
テレアポとも呼ばれていて、アポ取りの方法としては定番となっています。
定番な方法ではありますが、アポ取りが簡単かと言うとそうでもありません。
既に取引のある相手にかけるなら別ですが、新規の相手にいきなり電話をかけアポを取り付けるのは難しいものです。
営業マンとしての技量が試されると言えるでしょう。
- メール
メールを利用してアポ取りを行う方法です。
企業のホームページなどに記載されているメールアドレス宛てに営業メールを送信し、アポを取り付けます。
時間を気にせずに送ることができ、同様の文面を複数の企業に一斉に送るなども可能なため効率的な方法です。
ただしメールの中身が非常に重要で、魅力的な文面でなければ読まれずにそのまま削除されてしまう可能性も高くなります。
いかに相手の注目を集めることができるかが、アポ取りを成功させるポイントになるでしょう
- 飛び込み
企業に直接訪問しその場で担当者と話をさせてもらう方法です。
事前の約束などはなく、いきなり訪問することになるため飛び込みという表現を使います。
以前は営業のアポ取りと言えばこの飛び込みが主流でしたが、最近では電話やメールでのアポ取りが主流になっています。
というのも、飛び込みでのアポ取りは相手企業に良い印象を持ってもらいにくく、決して成功率が高いとは言えないからです。
- 展示会・セミナー
展示会やセミナーはアポ取りの貴重な場です。
展示会にしろセミナーにしろ多くの企業の人間が集まります。
そこで出会った人達と名刺交換をするなどして連絡先を把握し、その後に電話やメールを使ってアポ取りをします。
テレアポやメールでのアポ取りのきっかけになる場とも考えられます。
事前に名刺交換するなどしてコミュニケーションもとっていますので、完全な新規開拓よりは警戒心を解いてもらいやすいのも特徴です。
電話アポイント前の注意点
営業マンとして働く以上、電話によるアポ取りは必ず経験することになるでしょう。
では実際に企業に電話をかけてアポ取りを行う場合、どういった点に注意すればよいのでしょうか?
- 迷惑に思わないタイミングで電話を掛ける
電話でのアポ取りではこちらから電話をかけることになります。
まずは相手にとって迷惑にならないタイミングでかけることを心がけましょう。
たとえば朝イチいきなり電話をかけるのはよくありません。
仕事が始まった直後は相手も忙しく、電話対応をしている暇がないことが多いからです。
忙しい中でアポ取りの電話をかけてこられても相手も迷惑します。
始業直後や休憩時間などは避け、ちょうどよい頃合いを見極めることが大切です。
- 第一印象を良くする話し方を心掛ける
新規開拓を狙ったテレアポでは第一印象は極めて重要です。
第一印象が悪ければまともに話を聞いてもらえず、門前払いとなることも珍しくありません。
そこで話し方にはできるだけ気を配りましょう。
明るく丁寧に、ハキハキとした話し方をすることで印象もがらっと変わってきます。
相手からすればこちらがどこの誰でどんな人なのかほとんどわからない状態です。
判断材料は声だけですので、どうすれば良い印象を抱いてもらえるか考えておきましょう。
- 顧客との過去のコンタクトをリサーチ
もし対象の顧客と過去にコンタクトしたことがあるなら、事前にリサーチをしておきましょう。
過去の履歴を調べることでなにか有用な情報が見つかるかもしれません。
たとえば、顧客がどのような業種なのかわかれば電話での話の進め方や、電話をかけるタイミングなどが見えてくる可能性があります。
営業では顧客の情報はとても役立ちます。
アポ取りでもそれは変わりませんので、常に顧客の情報はまとめ整理しておくようにしましょう。
出来る営業マンのアポ取り事前準備
優秀な営業マンというのはアポ取りの際、入念な事前準備を行っています。
では具体的にどういった準備をするのがアポの獲得率アップにつながるでしょうか?
- 顧客情報の確認とロールプレイング
アポ取りを行うにあたって顧客情報の確認とロールプレイングは欠かせません。
これから約束を取り付けようという相手のことが何もわかっていない状態では、上手に話を進めることも難しくなります。
事前準備としてまずは顧客の情報をできるだけ調べ把握しておきましょう。
そうすれば相手がどんな商品を欲していそうかも判断できるようになり、より合理的な交渉が行えます。
情報を確認したうえでロールプレイングも必ず行いましょう。
本番を意識しながら自分の脳内でシミュレーションを行い、どういった展開にも対応できるようにしておきます。
- 顧客の利益に貢献できる提案の準備
アポ取りでは顧客の利益に貢献できる提案をできるかどうかがカギになります。
相手にとってまったく魅力的ではない、不要な提案をどんなに熱心にしても意味はありません。
顧客がこちらの話を聞いた時、これは大きな利益につながるのではないかと思ってもらえないといけないのです。
ただただこちらの売りたい商品の話をするのではなく、顧客は今どんな商品を必要としているのかを考えましょう。
そのうえでうちの商品であれば利益に貢献できますよ、というスタンスで話を進めることがポイントです。
- 候補日を複数用意
上手く話が進めば直接会って話をしましょうということになります。
無事にアポ取り成功ということになりますが、この時に気を付けたいのが商談の候補となる日は複数用意しておくという点です。
営業しているこちら側も、顧客となる相手側もそれぞれ予定があります。
お互いの空いている日がなかなか合わないということも珍しくありません。
せっかくのチャンスを逃さないためにも複数の候補日を確保しておき、相手の都合に合わせられるようにしておきましょう。
実際にアポを取るときのコツ
事前準備が終わったらいよいよ実際にアポ取りを行います。
アポの獲得率をあげるためにはコツがありますが、具体的にどういったことを意識すればよいのでしょうか?
ここからはアポ取りのコツについて紹介します。
- 相手を尊重しつつ主導権を握る
アポ取りで相手を尊重することは大切です。
営業マンは相手の気持ちに立って考えることも必要ですし、顧客を優先することはなにも間違っていません。
ですがアポ取りの際は相手を尊重しつつもこちらが主導権を握るよう心がけましょう。
顧客に主導権を握られた状態だとアポ取りを成功させるのは難しくなります。
というのも顧客は基本的にアポ取りに対してネガティブなことが多いからです。
断る前提で話をしているということも多く、こちらが主導権を握って話を進めなければいけません。
主導権を握り、いかに優れた商品なのか、顧客にとってどのようなメリットがあるのかを伝えましょう。
- 詳細を伝えずに商材に興味を持ってもらう
多くの営業マンが陥りがちなのが、電話やメールで商材のすべてを説明しなければいけないと考えてしまうことです。
結果としてこちらが一方的に話す展開になり、顧客に不信感を抱かせてしまったりします。
アポ取りの段階で商材の詳細をきっちり伝える必要はありません。
詳細についてはアポ取りに成功した後、実際に会った時に話せばよいのです。
まずは商材の概要や重要な部分のみを伝え、そこから興味を持ってもらえるように意識しましょう。
顧客としても詳細がわからない方が興味を持ちやすく、かえって話に食いついてくれる可能性があがります。
- 声色で感情を伝える
特にテレアポで重要なことなのですが、声色で感情を伝えるようにしましょう。
電話での会話だと相手の姿が見えないため声の印象に頼ることになります。
この時、抑揚のない声色、話し方だと顧客に警戒されてしまいます。
営業の仕事だと1日に何度も電話でのアポ取りをすることもあるでしょう。
どうしても感情を表現しにくくなるかもしれませんが、できるだけ感情を伝えるよう意識することが大切です。
たとえば電話口であっても大きく表情を作ることで声色も変わります。
笑顔を心がけるなど工夫することで相手に感情が伝わりやすくなり、アポの獲得率アップも狙えます。
- 電話前、電話後の記録を残しておく
アポ取りにおいて記録を残すことも重要なポイントです。
電話をかける前、そして電話をかけた後、それぞれでしっかりと記録を残し、後で活用できるようにします。
電話をかける前であれば対象の企業名や業種、電話をかけた日付などを記録しておくとよいでしょう。
また、電話をかけた後もアポ取りは成功したかどうかをはじめ、どのような話をしたのかもできれば記録しましょう。
詳細を可能な限り記録しておくことで価値のある情報となります。
この情報は他の顧客相手にアポ取りをする時にも役立つ可能性があります。
- 顧客第一を忘れない
アポを取ることが最優先になってしまい、顧客のことを考えられなくなってしまう営業マンも少なくありません。
アポ取りを成功させるには顧客第一を忘れないことも重要です。
たとえばテレアポをしている際、機械的にこちらの伝えたいことだけを話してしまうケースがよく見られます。
とにかく商品のことを伝えないといけない、アポを取りたいという気持ちだけが先行してしまっています。
営業マンはあくまでも顧客を第一に考えなければいけません。
自社の商品を利用することでどんなメリットがあるのか顧客目線で考えましょう。
そのうえで話を進めることがアポの獲得率をあげてくれます。
- 見込みの度合いを確かめる
どのくらいの見込みがあるのか、これを見極めることもカギになります。
今すぐにでもアポが取れそうなのか、それともまったく可能性がなさそうなのかといった具合です。
また、今は無理でもこのまま継続して話をすれば、将来的にはアポが取れそうというケースもあるでしょう。
どのくらいアポが取れそうか、その可能性を探る作業とも言えます。
問題はどうやって見込みの有無を判断するかです。
経験豊富な営業マンなら雰囲気などで判断できることもあるでしょうが、誰もがそうできるわけではありません。
そこで思い切って顧客に聞いてしまうのも1つの方法です。
単刀直入に聞くことで見込みを確かめられることもあります。
- 大事な話に適した時間と場所を選ぶ
アポが取れれば実際に商談をすることになります。
大事な商談をする以上、それに適した時間と場所を選ばなければなりません。
顧客の会社を訪問して商談する場合は特に問題ないのですが、別な場所で会う場合は気を配りましょう。
まず時間帯ですが相手の忙しい時間帯は極力避けます。
次に場所ですが、できれば静かで落ち着いて話ができる場所を選びましょう。
商談では他者に聞かれたくない重要な機密について話すこともあり得ます。
不特定多数の集まるような場所ではなく個室をセッティングしたり、会議室を用意するなどしましょう。
- 用件、所要時間をきっちり伝える
意外と忘れがちなのが用件と所要時間をきっちり伝えるという点です。
アポを取って具体的にどんな話がしたいのか、まずは顧客に正確に伝えましょう。
同時に実際の商談はどのくらいの時間がかかりそうなのかも伝えます。
1時間かかるのかそれとも2時間かかるのか、所要時間がわからないと顧客もスケジュールを組みにくくなります。
これではアポを断られることも出てくるかもしれません。
顧客に都合をつけやすくしてもらうためにも、用件と所要時間はアポ取りの段階できっちり伝えましょう。
- 次回のアポの約束もその場所で取る
アポ取りに成功し実際に会って話をしたとして、その1度で商談がまとまるとは限りません。
今後また継続して話をしていきましょうというケースも多く見られます。
そこで大事になってくるのが次回のアポはその場で取るという点です。
たとえば初回の商談時、続きはまた改めて行うことになったとしましょう。
この時、アポも後日取りなおすのではなくその場で取ってしまいます。
後に回すと断られる可能性が出てくるからです。
チャンスを逃すことがないよう、次回のアポは必ずその場で取るようにします。
電話が繋がった後の注意点
電話でのアポ取りが主流です。
顧客に電話をかけ、実際に繋がった後はどんな点に注意すればよいのでしょうか?
テレアポでの注意点を紹介します。
- 電話した理由を伝える
まずは電話した理由をはっきり伝えましょう。
相手からするとこちらがどんな用事で電話をかけてきたのかわかりません。
用件がわからないままでは警戒されたままになってしまいます。
こういう商品を紹介させてほしい、こんなサービスがあって御社にメリットがあるなど、具体的に電話の理由を話しましょう。
一方的に話を進めようとしてもアポ取りの獲得率はあがりません。
- 明るいトーンでハッキリ、ゆっくり話す
声のトーンは明るく、言葉はハッキリとそしてゆっくり話すように意識します。
自分では気を付けているつもりでも、相手からするととても早口だったり、不明瞭で聞き取りにくかったりするものです。
電話だと相手の姿が見えないため、どうしても機械的な話し方になりがちです。
これではこちらの感情、気持ちが上手く伝わりません。
電話であろうと人と話していることを忘れず、相手が話を聞いてみようという気持ちになるような話し方を心がけましょう。
- 具体的な時間を提示してアポを取る
アポを取る際には具体的な時間を提示するようにしましょう。
たとえば、少しで良いので話を聞いてくださいと訴えることがあります。
この時、少しと表現するのではなく5分や10分と具体的な時間を提示します。
すると相手も5分くらいならいいか、と考えてくれる可能性が出てきます。
逆に少しという曖昧な言い方だとどのくらいの時間がかかるのかわからず、相手としても不安を感じます。
時間に限りませんが、アポ取りでは具体性が重要です。
- 押し付けるような話し方をしない
話を終わらせたくない、アポを取りたいという気持ちが強いあまり、押し付けがましい話し方になる営業マンも見られます。
しかし強引に話をされて興味を持つ人はまずいないでしょう。
焦る気持ちもあるかもしれませんが、やはり顧客第一が重要です。
押し付けるような話し方はせず、相手に合わせて慎重に話を進めましょう。
時には相手の話を聞く立場になったりするなど、柔軟な対応が求められます。
- 端的、簡潔に話す
電話口では端的、簡潔に話すことを心がけましょう。
1度にすべてを話す必要は決してありません。
アポさえ取れれば商品の詳細など、重要なことについてはじっくりと話せます。
アポ取りの段階では端的に用件を伝え、簡潔にまとめることを意識します。
その方が相手にも伝わりやすく、相手も話しをもっと聞いてみようかなと考えてくれやすくなります。
- 必要以上の情報を伝えない
端的、簡潔に話すという部分にも繫がりますが、必要以上の情報は伝えなくても問題ありません。
あまり情報を伝えすぎるとアポを断る理由にもなってしまう可能性があります。
もちろん情報をしっかりと伝えることでアポを獲得できることもあります。
ですが話す情報は必要最小限にとどめ、それ以上のことは話さないのがポイントです。
たくさんの情報を1度に伝えようとすると、電話が長くなってしまいますし、相手も情報を整理しにくくなります。
まとめ
営業アポイントについて、獲得率をあげるために意識すべきコツや注意点を見てきました。
アポを取るというのは単純な作業にも思われるかもしれませんが、その方法も多彩で奥が深いものです。
特に近年では電話でのアポ取りが主流となり、電話口でいかに相手の興味を惹くかが重要になってきています。
アポ取りを成功させるためには事前の入念な準備、そして電話での話し方などを意識しましょう。
アポを取ることができれば商談成立へ向けスタートを切れたということになります。
その大事なスタートをしっかり切るためにも、営業マンはどのようにアポ取りをすればいいのか考えましょう。
顧客の目線で考え、相手に商品やサービスのメリット、魅力を感じてもらうことが大切です。